80's SURFER DISCO 70年代後期~80年代初期に栄えたサーファー系ディスコ回顧録。当時の音楽やファッションを徹底検証!

6-oumu.gif ジャンルの考察

★本題に入る前に

当サイトから観るダンスクラシックという言葉の考察と見解

「ダンスクラシック」略して「ダンクラ」

少し前の80' sブームや

懐かしのディスコ曲コンピCDの人気

リバイバル・ディスコなるものまで登場しました

更に親世代が聴いていたであろうディスコ曲に

クラブ世代のお子様達が興味を示し

独自に「ダンクラ」というカテゴリーをつくり頻繁にイベントが行われているようです
(これは彼等クラバー世代の価値観で行われている事です)

最近のクラブ感性としてジャンルに捉われないという趣向が根強くあるようで

それが「年代飛ばし」「ごった煮選曲」の基盤となっているのです

そしてこの「ダンスクラシック」というキーワードが絡んでいると思われます

元は外国のレコード業界で使われていた用語で

レコードを通じてDJやクラバー達へと普及していったようです

「ダンスクラシック」・・・読んで字の如く

過去のディスコでオンエアされていたような

ダンスミュージック全般を指しているものです

(最近ではLATE 90'sのR&BやHOUSEまで取り込んでいる)

しかしあまりも広大漠然としているために

ディスコを経験した世代によって

その年代範囲にズレが生じてしまっているのも事実です

同時期・同年代に存在していない曲と対極ジャンルの混在や

とても(当時感性での)ディスコではかけられないようなハンパ曲

マニアやコレクターといった人達だけに受けるレア音源や得体の知れない12”など

ツルの一声でさぞかも当時のフロアでガンガン鳴っていたような

思わせぶり効果も手伝ってか

「ダンクラ」という言葉に真のディスコのエッセンスが

封殺されてしまっているのが実状だと思います

当サイト的の解釈ですと

ディスコ・ダンス・ファッション・スポーツ・ストリート

そしてキャンパスやワーキングライフなどの日常が

当時の思い出とシンクロしてしまうのが
価値のある昔の曲なのです

私達世代では「サーファーディスコ」というリアルな実体験があり

それに基づいてカテゴライズする事が当サイトの努めと思っています

上辺だけの寄せ集め流行ソングで満足するか

誰も知らないようなマニア曲で悦に入るか

思い出と事実に基づいた選曲にこだわるかは自由です

漠然たるダンクラという表現でとどめるのか

「サーファー系」「オカマ系」など的確な表現を用いるかで

求める趣向も示されるという訳です

改めて記することでもありませんが

「ダンクラ」は音楽ジャンルとは言い難く

当サイトでは適用しておりません



●音楽初級者の為の簡易説明コーナー

■基本ジャンルを理解しよう

国内での「DISCO」というジャンルがあまりにも曖昧です

SOULとFUNKYそしてDISCO

この違いを理解して物を言える方はどのくらいいるのでしょうか?

未だにジンギスカン、スタイリスティックス、ドナ・サマー、オージェイズ、ボニーM

といったミュージシャンを単純に「ディスコでかかっていたから」という理由で

一緒くたにされていたり

国内のコンピやオムニバスの安直なタイトルのせいか

ひっくるめて「SOUL」と思い込んでしまっている方も少なくありません

本人がそう思えばなんでもDISCO、SOULで通ってしまうのが現状なのです

せめてDISCOの中だけでもこういった原始的発想から抜けて

音楽意識を高めて行きたく強く願っております

そこで当時のディスコに親しみ音楽を聴きダンスを楽しんだ者であるならば

これくらいのジャンルの違いは理解していていただきたい事があります

SOULとDISCO

SOUL系のミュージシャン達がDISCOのブームに影響され

ダンスビートなアップナンバーに走り出した影響もあり

かなり混同されている方が多くいらっしゃるようですが


黒人の歌手が歌っているものは全てSOULとされるのは間違いです

元はミュージシャンの歴史と唱法や下地の演奏が違います

これは個人の感性を研ぎ澄まし耳を鍛えていくしかありません

ジャンルというものは単純ではないという事であります

せめて「ドナ・サマー」と「オージェイズ」

「ジンギスカン」と「スタイリスティックス」を同じジャンルに置かないくらいの

知識を身に付けてあの頃の音楽に触れていただくように向上を願っております



■ROCKはサ-ファー時代の象徴

ブラコンやFUNKに偏り表現されていた「サーファー系」ですが

オンタイムの方々の声によってその真実が明らかになってきました

AORを含めROCKは欠かせないものです

サーファーを冠していながらROCKをまともに扱えないような情報源は

勘違いしているのか事実を知らないとしか思えません

流行にうるさいAOR被れした私大生やROCK好きなサーフギャル達を相手に

ちゃんと受け答えが出来て当然

ありきたりの有名ROCKだけで誤魔化してもサーファー時代は語れません

「海への想い」があるならば嫌いなはずがないのです



◆サーファーディスコ期における簡単な音楽史♪

70年代後期はディスコブームの影響もありテンポの速いダンス物が中心で

アメリカンロックやポップスも非常に元気があったので多用されていました

80年代に入り日米共にディスコに一時の勢いに翳りがみえはじめました・・・

曲はゆったりとしたテンポの曲がヒットチャートの常連となって

80年代風のの洗練されたSOULやFUNK, URBAN SOUND

ヨーロッパ系のダンスミュージックなどがディスコの主流と変わってきました

勿論サーファーの御神体であるウエストコーストやAOR人気は言うまでもありません

82年に入って再び速いテンポのミュージックスタイルが流行の兆しとなり

その後もテンポは上がりっきりとなりデジタルビートやUK ROCK、NEW WAVEが

ディスコの主役に取って代わりファッションの変換と共に

サーファーディスコ時代は終焉したのであります


◆補足

当時のサーファー系のディスコと

SOUL & FUNKなど当時のブラコン選曲95%以上主体でオンエアする

通称「ブラック・ディスコ」がありました

「赤坂・ムゲン」「赤坂シンデレラ」「六本木エンバシー」「新宿・フルハウス」

初期の「六本木・JESPA」「六本木・QUEUE」

そして玄人が集った米軍の基地周辺の小箱のディスコなどなど

サーファー系ディスコよりも遥かに選曲は黒く伝統があります

こういったお店でDJになるには更に高度なスキルが要求され

当時では狭き門として憧れの席でもありました

そのような理由でDJ経験者は限られています

またこの輝かしい職歴を欲しがる人物も多いです

決して
憧れや羨望だけで経歴は偽れません

本当のDJ歴とはお店とレギュラー契約若しくはヘルパー契約し報酬も貰っている方です
趣味でノーギャラで廻していたとか中途見習い、本職はウエイター
イベントで何回かブースで廻した等は職歴になりません






◆初歩的な専門用語等説明

サーファーディスコを肌で体験されている方はご存知でしょうが

「LONG TRAIN RUNIN/DOOBIE BROS.」’73年リリースのように

時代をかなりさかのぼってしまっている作品が各コーナーにて

紹介されている場合があります

単なるオールディーズ扱いとは違い

これは
「ロングランヒット」と言いまして昔からオンエアされ続け

時代を超え色褪せる事なくフロア人気を維持する定番中の定盤です

また、この時代の流行に併せ
「リバイバルヒット」された曲もあります♪

サーファーディスコ期でも人気絶大で支持されていたと思ってください

83年につきましてはサーファー時代は終わっていると認識していますが

この変革時代にデビューした本物志向の次世代サーファー達は無視できません

終焉の流れを振り返りつつ83年までのサウンドは拾い上げたいと思います

さてさて・・・

ここから登場するのは頻繁に使う
ディスコ関連音楽ジャンル用語です

飽くまでもサーファーディスコ事情が基本であります



AORとはADULT ORIENTED ROCKの略称で

アダルト志向(H系では無い)な音作りと言う意味です

大人による大人の聴く為のロック系サウンドと思ってください

その曲作りから演奏テクは高度でかなり計算されています

当HPではディスコ(踊っていた)側の観点から表現しており

SOULやJAZZまでこのジャンルにもってくるような

非ディスコ(ガイド本鑑賞派)的な解釈とは異なっています

「RAY PARKER Jr.」はBLACK MUSICであり

「GROVER WASHINGTON Jr.」はJAZZ FUSIONというのが

当時の概念でありました(いらん論議と能書きはもう沢山)


DORとはDANCE ORIENTED ROCKの略で

この時期に頻繁に使われていた用語でして

名前の通り踊らせる事を意識して作られたようなロックです

意図的にダンスものとして作られてない曲でも

リズムのいい曲は自発的にオンエアしていました

DJのセンスと技量がモノを云うジャンルでもあります


ブラコンとはBLACK CONTEMPORARY MUSICの略称です

丁度サーファー時代と重なったしたムーブメントでありました

アメリカが抱える黒人社会の闇

そういった土壌から生まれる大衆歌SOUL MUSIC

貧困、差別からくる怒りや矛盾、暴力そして悲しみと絶望

反戦と平和祈願といった内容が主流であった70年代

80年代になってから風向きが変わってきました

ブラックコンテンポラリームーブメントのはじまりです

ベトナム戦争は終わり反戦メッセージの役割は終え

日常に漠然とした虚無感だけが漂う中

以前のネガティブな内容でなく(実際貧困や差別は全く解消されていないが)

男女の恋愛表現やナンパ、幸福感といったLOVE SONGが主流になり

オシャレさが要求されるように変わってきました

これがブラックミュージックの新しいカタチで

バックの演奏もシンセを多用し都会的にアレンジされています

「OFF THE WALL/MJ」「NEVER TOO MUCH/LUTHER VANDROSS」といった

超名盤が代表になります

ブラコンブームが定着し82年あたりから「DANCE CONTEMPORARY」
といった

造語も使われるようになりました


FUNK
とはBLACK MUSICの表現スタイルのひとつです

70年代にそのスタイルは完成されていて

多くの偉大なミュージシャンが名曲を残しています

「JAMES BROWN」がリズムの原型を作り上げたようです

原動力は白人に向けた黒人への差別や貧困に対する怒りで

当時のステージは殺気立ち非常に危険だったそうです

西海岸では白人を受け入れヒッピーにも支持されたスタイルで人気を得た

「SLY & FAMILY STONE」が台頭してきました

「JB'S」の「BOOTSY COLLINS」

「SLY」の「LARYY GRAHAM」(スラップベースの創始者)

2大ベーシストは絶大な人気を得ていました

白人受けを狙いPOPS志向に流れていたMOTOWNでも

FUNKを無視できない状況になってきました

「STEVIE WONDER」「TEMPTATIONS」がFUNKを取り入れて

多くのヒット曲を飛ばしました

古くから活動する

「KOOL & THE GANG」「OHIO PLAYERS」も独自のFUNK STYLEを持ち

多くの名作を輩出しました

80年代に入り演奏がシンセやデジタル楽器が主流となり

大型バンドから少数精鋭のバントへと変化して行きました

因みにこのFUNK MUSICは日本に狂信的な愛好者が多く

様々な主張が飛び交っているようです

安全でそこその裕福な場所にいる我々が(好きなだけレコード代に費やせたり)

脳の中で黒人社会を理解しようとしてもただの妄想

知ったかぶりや安っぽい口先同情は見苦しく思える


オールドスクール(OLDSCHOOL)とは昔の創世期のラップサウンドの事です

部類としてはHIP-HOPカルチャーの始まりの一端です

デジタルトラックやサンプリングはまだ開発されていない時代で

いかしたブレイクビーツ(レコードの間奏部やインスト)を使ったものや

ミュージシャンを使ってちゃんと演奏されているのが特徴

ベースのウネるFUNK系からタイコが走るFUNKY系までとにかく黒い!

人によって思う区切りが様々ですが当HP内での見解は

音作りにもよりますが

1979年のラップサウンド誕生から1982年デジタル化される前のモノ迄

にリリースされたラップサウンドと捉えています

初期は自己主張やナンパ「皆で盛り上がろうぜ!」的なパーティーラップが主流でしたが

82年あたりから黒人社会根本にある問題や日常への不満を訴えた

社会的メッセージな内容が多くなってきました

ブラコンへの反動でしょうか依然とある差別、貧困

そしてドラッグ、暴力へとより深刻な現状が浮き彫りになりました

追記
OLD SHOOLという呼び名はサーファー当時はありません
85年以降に付けられた種別けです
RAPと当時は呼ばれていましたがその後のHIP-HOPの普及によって
あまりにも広大な表現となってしまうため
昔のRAPを示すOLD SHOOLという呼び名を敢えて引用してます



HIP-HOP
とはNY(ブロンクス)発祥の黒人やヒスパニック系のカルチャーで

音楽ジャンルではありません

RAP、DJ、BREAK DANCE、グラフィック・アートの4つを基盤とした

全体を指してHIP-HOPと呼びます

一部ネット上では70年代中期からその文化は発祥している説を取り上げていますが

その時代にDJ対応の高機能ターンテーブルやミキサーが存在していたとは思えません

ダンスチームで有名な「NY CITY BREAKERS」が70年代中期には存在していたようです

TV「SOULTRAIN」でその勇姿は披露されていましたが

LOCK DANCEやPOINTといった古典FUNKYもので

私達の知っているBREAKINGなどはまだ踊られていませんでした

チーム同士のこういったバトルだけは行われていても不思議ではありません

全く情報の入って来ない時代でしたので真実やいかに?

私が始めてBREAKDANCEなるものを目にしたのが

83年ヒット映画「FLASH DANCE」の1シーンで踊られていた

BREAKINGやMOON WALKといったストリートパフォーマンスで

同年後期「WILDSTYLE」という映画によって

HIP-HOP文化の全容が明らかにされた事が当時の実情でした

ディスコ外では諸説色々と飛び交っているHIP-HOP文化ですが

本HPでは当時のディスコ目線からどのように浸透して行ったかを

事実を表現させていただきます

日本で爆発したのが83年以降であった為に

サーファー時代終焉後の文化になっているのも事実です

ほんの初期の部分で後時代の取り扱いは控えさせていただきます

ネット上で飛び交う諸説とは異なる表現もございますが

ご了承の上閲覧願います


●レゲエやアフリカン、ラテン、ブラジリアンは?

これらワールドミュージックはクラブ営業が確立してからの選曲です

ディスコの基本は
踊らせるですから聴かせやなんとなく動くとは違います

ラテンやジャングルビートでもしっかりディスコアレンジされていれば

通常オンエアされていましたがそれ以外はNGでした

レゲエはかなりポピュラーヒットしていないと一般客はついて来れない時代でした

DJと常連客が双方ツウなお店では多少コアにオンエアしていたようです

現代のクラブやバーでは専門のDJが廻したりスペシャリストがいるので

コアな選曲で満喫できるようになっています

当時のディスコではワールド系選曲はそぐわない時代背景であったのです

他に流すべき曲がゴマンとあるのですから



●参考までに

FREE SOUL」「GARAGE.○×ービア」
RARE GROOVE

○×バー」「○○氏ネタ」「○△誌掲載」などのキーワード

新造・後付けでカテゴライズされたものです

サーファー時代当時には
存在しておりません

当然このようなカテゴリーの概念をもって選曲もしていませんでした

聴いて買う側も自分の感性を信じてレコ屋に入ったものです

外部に丸投げ依存しているような主観性の無い専門店もありませんでした

当時をありのままを語るのが本サイトの主旨です

サーファー時代の本来あるべき姿で表現させていただきます




●コレクターズレコード

蛇足になりますが全く意味が解らない方もいらっしゃると思いますので

追記させていただきました

ダンスミュージック系のレコードは星の数ほどリリースされていますが

プレス枚数が希少とか輸入されず店頭に並ばなかった等理由で

当時の日本国内のディスコとは直接縁の無かった作品も沢山ありました

ずっと後年になってから

廃盤専門店の増加によりマニア向けレコードの流通事情が容易になったり

昔ではあり得なかったその手のレコードガイド本が出されたりで

のどから手が出るほど欲しかったであろう情報というものが市場に流れ込み

売り手側、買い手側双方に私益をもたらしました

当然市場は活気付き

カイド本掲載の盤では飽き足らず

そのような眠るレコードの山にお宝的価値が求められるようになりました

発掘され高い価値と評価されたレコードはお宝(コレクターズレコード)と呼ばれ

レコード業者・コレクター・愛好(盤)家達の間でアツイ駆け引きが

今尚行われています(殆んどトレーディングカード状態)

「ディスコオンエア以外にも良い曲はある」

「昔のディスコフィールドなんか端から眼中にない」といった理念のもと

活動されているようで
すので

元からディスコ価値観とは別領域の人達でなのであります

これらレコードは楽曲的にも素晴らしい作品が多いのは確かです

しかし残念ながら

あの時代のディスコとは無縁であるのは事実で

誰も聴いた事がない見向きもされなかったレコードであった事には変わりありません

耳の肥えた方以外には知らない・興味がないで終わってしまうのが現実です

このように一般人が知らない音源で悦に入るマニアックな人達の世界です

興味をもたれた方は踏み込んでみてはいかがでしょうか?

但し収集癖特有の果てない欲求や中毒性があり

投資の資金もかなり必要とされます(なめてはいけないよ)

因みに80年代URBAN系と言われる「N.Y.SOUND」「イタリア」「オランダ」「UK」産の

ダンスミュージック系の12”(DISCO BOOGIEとも言われる)や

モダンソウル、ファンク系にこの手の好事家達が集中しています


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